1990年代後半に青少年による痛ましい事件が多く発生し、全国に「居場所」が広がりました。私が今の活動にかかわるきっかけもちょうどその時期で、地域の大人と一緒になって中高生の放課後に、友達のことや家族のこと、進学のことなど時間を忘れて話していたことを今でもはっきり覚えています。
これまで活動を続けてきて、何か変わったのかと言えば、残念ながら、社会に居場所がない子どもや若者も多く、不安と孤独を感じている保護者も増えています。また、地域で孤立している人も増えており、経済格差や子育て力の格差が広がっているのが現状です。
どんな子どもや若者でも、多様な人に出会い、多くの人に支えられながら、自分の人生の主人公として生きていける、そんな社会を実現することが必要です。
そのためにももう一度、子どもや若者の声に耳を傾け、それぞれの成長を応援する、どんな子でも地域の子ども・若者として多くの人の力で育てていけるようになることが大切だと思います。行政や関係機関と連携し、子ども・若者が住んでいる街を愛し、失敗をしながらもたくましく成長していける環境整備や将来を担う子ども・若者の成長を地域全体でかかわる社会を創造していきます。
理事長 岩間 文孝